辺り一面は朝霞の中2010/12/03 10:02

夜中には、大分、天気は荒れたようだが、その頃には、熟睡で、目が覚めて、朝、散歩に出ると、辺り一面は朝霞の中。

裏庭に出てみると、昨日まで、辛うじて命脈を保っていた草木の生気も一層、薄れている。

冬の嵐過ぎゆく裏庭哀し

でも、何よりも悲しかったのは、インスタントコーヒーとマヨネーズが切れていたことで、早速、コンビニに買いに走った。

辺り一面に落葉が散らばっているので、近所の洋菓子店の女の人とか、散髪屋さんとか様々な人が、道を箒で掃いていた。

家に帰った後、その後、バルコニーに貯まった雨水を箒でかい出していると、クロネコヤマトがやってきた。クロネコで色々なものを配達してもらうので、すっかり、配達のお兄さんとも馴染みとなった。

寝室の天井用のクロスが届いた。週末に貼ろうと思う。

住み継ぐということ2010/12/03 23:06

 今日は、大阪市住まい情報センター3階ホールで開催された「長寿命住宅シンポジウムⅢ 住み継げる住まいを考える為の重要ポイントを発信!」を聴講させていただいた。
 参加した理由は、『住み継がれる家の価値Ⅲ』が参加者は無料でもらえるということに尽きる。

 スーク創生事務所代表の大島祥子さんという方(写真左端)が、宮古島で撮影した住宅の写真がブログに掲載されていたが、棟の構造が判りにくかったので、詳細な写真が知りたかった為。
 宮古島の住宅は、超耐気候性を備えると共に、島の気候風土(季節によって風向、風力、天候が変化)にも適応出来る柔軟設計のお家。
 一番、凄いと思ったのは、屋根の構造である。うちのボロ家もこんな風に屋根をやってもらえれば、六甲山下ろしの強風に耐えられると思う。瓦の色もうちの家に似ている。棟の補強には、漆喰を徹底的に使用している。
 少し、疑問に思ったのは、こうしてしまうと、ウチの家でも発生している様な通気性の問題が生じてしまうのでは。コーティング材にもよるが、通気性がなくなると、屋根材の劣化も速くなり、快適性(自然な除湿や温度調整機能)も失われてしまう。

 シンポジウムは延々3時間に及ぶ。


 「住み継ぐ」という言葉自体が、
 ①家という(ハードウエア)の継承
 ②社会性の継承(地域社会における役割)
 ③住みこなしの継承
 3ポイントがあり、更に、「継承」も親子、他人(第3者)等の場合がある。
 
 つまり、積水ハウスさんのエバーループの発想は、住宅を「商品」としてみて、①に、重点をおいて、動的平衡性を保ちながら、再生利用していく発想である。もちろん、家の家族構成や社会性等も考慮しないではないが、あくまでも再生利用が可能なプレハブ住宅づくりのコンセプトである。
 具体的には、頑丈な基礎構造、施主の希望や家族構成の変化等に対応しやすい柔軟設計、家の性能の維持プラスアルファの商品価値(新しさ)の維持等のコンセプトである。

 この点について京都大学大学院教授の高田先生は、異議をおっしゃられた。具体的には、「じゃあ、積水ハウスさん以外の家だったらどうするの。」ということだが、住宅メーカーとしては、商品性が表面に出てくるし、やはり、リユースの場合でも「新しさとか、商品の魅力」は、セールスポイントになるので、どうしようもない。それが大手住宅メーカーの家づくりの限界かもしれない。

 もう1つの考え方としては、古民家再生(今回は、有限会社菅家設計室の代表菅家克子さんの事例である。これは、築200年とかそれ位の代々住み継がれてきた家について、性能維持(補強)、住みやすさへの対応(家族構成や趣味性、家の社会的意義)の為のイノベーションである。

 例えば、古民家をイノベーションで商品として、新たな顧客に販売する場合もあるだろうが、多くの場合は、家に代々住み継がれていた家族の希望に答えた改築である。
 古民家の場合は、建築素材が木造でも素晴らしいものがあり、それを再利用することで、新たな付加価値の創生も可能である。

 住み継ぐということは、エコロジー、資源の保護、エネルギーの節約といった意義もあるが、個々の家族の社会性の継承である。家族と社会の関係は、相関的であり、家族の変化、社会にも影響を与え、社会の変化が家族のあり方を変えていくのである。そうした生活文化の創造の舞台として、住宅を考えるならば、住み継いでいくということは、当然であり、地域社会が存続する為に基礎的条件の1つであると、僕は、思った。
 また、住み継がれる為の家の条件としては、たしかに設計の柔軟性とかそういった側面もあるが、やはり、日本の風土に適った、長持ちする建築素材の活用が条件にあると思う。

 最近の新築の家は、美しいが、その使用されている素材によっては、2~3年で雨漏りが発生したり、紫外線等によって外壁材が変化したり、あるいは、合板素材、積層板等の粗悪のものであれば、接着剤自体が変成を起こして、家の構造材としての強度の維持するおぼつかなくなる。 

 築30年以上経過した家でも、使用材の相違により、家の耐久性や状態は、全然異なってくる。施主や住宅メーカー、建築業者に「住み継ぎ」のコンセプトがあるかなしかということになる。
 
 鉄筋の強度も、昭和初期の建築等をみても判る様に、耐久性は低い。そうなると良質な木造建築(ムクの材料)が長持ちする前提条件となるが、森林資源の保護、地球環境の保全等を考えると、木材の伐採を続ければ、材木の価格の高騰、自然環境の破壊につながる。

 こうして考えると、過疎地の古民家等を解体した材料のリユースも住み継がれる家を造る条件に入ってくると思う。

 そういえば、先々週の「渡辺篤史の建物探訪」で、島根県の古民家の解体材木を新築建築に活用している事例が紹介されたが、こういったのも、住み継がれる家づくりの1つの手段であるかもしれない。