ラベリング2008/04/01 13:10

 今まで以上に道を歩く時、人の視線を気にしなければならなくなった。どんどん自分が日陰者に追いやられていく気がする。
 4月1日からメタボ検診が義務づけられ、肥えた人間は、「要注意人物」のレッテルを貼られ、新たなラベリングが行われる事になる。
  H.S.ベッカーの『アウトサイダーズ』によれば、ラベリングされること自体が社会自体にそれ程、大きな影響を与える事は無いが、ラベリングを他の要素に利用する事で、新たな身分・格差社会、やがては社会病理に至る状況を産み出す。
 メタボのラベリング・烙印を押された人間は、他の人間と異なるとの意識を常に持つ様になる。ふとした契機で、不利な状況に置かれた時、「自分は普通の人間とは異なる。」というアウトサイダーの意識を持つようになり、同様の意識を持った人間と共に集団化が行われる。
 また、企業でもメタボ検診の結果、改善を社員に勧告するが、具体的にメタボを解消する有効策は示されず、そのままの状況にいると、昇進コースから外され、やがては解雇されるという状況にもつながる。
 企業にとっては、絶好の「人減らし」の口実となる。アメリカ社会では、特に、肥えている人間は、自己管理能力がないとか、下層志向という事で徐々にラインから外れていく。
 一方で、メタボ検診の義務づけは、製薬業界に大きな利益をもたらす。医薬品やトレーニング器具等の販売増収につながる。
 政府がメタボ検診を義務づけた理由としては、医療費用の軽減を目的としているが、その様な効果が期待出来ないだろう。
 新たな人間選別の機会を増やすことで企業社会の縦型構造を一層、堅固にしようとする目論みなのかと疑いたくなる。
 以前、全P連という肥満者の権利を守る団体があったが、これも、いつの間にか雲散霧消で、今では、全P連とは、全国ピアノ輸送業者の組合組織になってしまっている。
 写真は、防風通聖散という薬で、便乗商品としてロート製薬が売り出している。
 1袋2千円近くするが、試してみたが、逆に体重が増えてしまった。全く効果は期待出来ない。それどころか、肝機能障害や、血圧が急上昇する副作用が強い。私もこの薬を飲んで血圧が20も上がってしまった。
 そもそも薬で人間が痩せる筈はないが、こういった製薬メーカーがはびこる事になるから困ったものだ。

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