柏木巻の場面アナリーゼ2008/04/11 00:28

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卒論の草稿初回提出期限が4月15日に迫っているので、泥縄式に作業を行っている。
 それでも期限とかそういったものを意識しないと何時までも論文が完成しないのでそれなりに意義はあるかも。
 論題「源氏物語の絵画化の手法」で、草稿は、「はじめに」と今晩でようやく第1章まで書き上げた。
 第2~3章は、この金・土・日で書いて、月曜日に速達が大学に送れば間に合う。
 担当の先生が中島純司先生が退官されて、小野田先生に変わってしまったので、それ程、じっくりと取り組む気持ちがしなくなってしまったのが正直なところ。
 図表は、第1章の源氏物語の絵画化において選択された場面に使用しているもので、柏木巻の全15場面のアナリーゼである。
 久しぶりに修論の作成した昔を思いだしてしまった。
 結局、要素毎に場面を分類して、どの要素を持った場面が『国宝源氏物語』に取りあげられていて、更に、室町期辺りに成立した『源氏物語絵詞』(大阪女子大本)及び、土佐派の絵画2点で取りあげられている場面を照合してみた。
 感心したのは、『国宝源氏物語』は、絵画化に当たって、当然というか必然的な箇所を選んでいる。(グレー色の部分)
 中世期の『源氏物語絵詞』は、一部、異なっているが、この絵巻で選択された場面に準拠している。
 近世期の3点は、特に住吉如慶の源氏物語扇面画帳で、聖の加持祈祷の場面を取りあげているが、土佐派の2点は、夕霧と落葉宮との場面を取りあげている。
 『国宝源氏物語』は、一番暗くて哀しい場面である柏木の死の場面と因縁の薫君誕生の一番、内容的に重要な部分を取りあげているが、近世の土佐派、やはり、あんまり重たい場面を避けるような配慮がされている感じがある。
 『源氏物語絵詞』には、国宝絵巻にはない夕霧が大臣邸を訪問して生前の柏木を回想する場面が指定されているが、ひょっとすれば、国宝絵巻には、もともと、この部分も存在したかも知れない。
 そういった意味で、今後も詞書の断簡、古筆切れ探しを続けなければなるまい。

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