曼荼羅の仏達の微笑みとまなざしに象徴される宇宙観 ― 2008/07/29 14:21
昨日の四条センターでの講座「描かれた仏達 東寺曼荼羅」は、どうゆう訳か安藤先生のご都合が悪く、そのお師匠様の井上先生が担当された。
前回のダンダンウィリクや法隆寺金堂壁画との比較で見ると、こちらの方が大らかというか仏様の表情に日本には無いようなものがある。
法隆寺金堂壁画、描画の精緻で技量も高く、空海の時代よりも前に描かれたとは思えない、西方の美術様式に日本人的な精緻さが加わった、現代の日本の工業製品の様な安心感があったが、この両界曼荼羅には見られない。
それでもダンダンウィリクやホータンの画家達の特徴が、この唐時代の様式の曼荼羅にも現れている。特にまんまるの顔の輪郭、明瞭な輪郭線、視線の表情の雄弁さ、そして、隈取りの色彩感である。
この写真では判りづらいが、胎蔵界の大日如来の頭頂の光輪の上端が虹色にスペクトル分離している。素晴らしいと思う。
色々と気になる点があり、安藤先生がいらっしゃたら、どの様に言われるだろうかと感じた点は、特に、仏達の視線の持つ意味である。
私は個人的には、仏達の視線は、隣接する仏との関係を表している。仏達の関係とは、すなわち、宇宙の構造を意味しているのだと思う。
胎蔵界は、宇宙観を金剛界は、認識世界を表現していると言われるが、それは、仏の表情を見れば判る。
法隆寺の金堂壁画の時代には、その様な仏達の関係に基づいて宇宙の真理を視覚化するという思想はなく、むしろ写実的であったが、密教的な価値観の付加が、この様な表現手法に現れてみるのだと考えれば、興味深い。
安藤先生のご意見等をうかがいたいものである。
前回のダンダンウィリクや法隆寺金堂壁画との比較で見ると、こちらの方が大らかというか仏様の表情に日本には無いようなものがある。
法隆寺金堂壁画、描画の精緻で技量も高く、空海の時代よりも前に描かれたとは思えない、西方の美術様式に日本人的な精緻さが加わった、現代の日本の工業製品の様な安心感があったが、この両界曼荼羅には見られない。
それでもダンダンウィリクやホータンの画家達の特徴が、この唐時代の様式の曼荼羅にも現れている。特にまんまるの顔の輪郭、明瞭な輪郭線、視線の表情の雄弁さ、そして、隈取りの色彩感である。
この写真では判りづらいが、胎蔵界の大日如来の頭頂の光輪の上端が虹色にスペクトル分離している。素晴らしいと思う。
色々と気になる点があり、安藤先生がいらっしゃたら、どの様に言われるだろうかと感じた点は、特に、仏達の視線の持つ意味である。
私は個人的には、仏達の視線は、隣接する仏との関係を表している。仏達の関係とは、すなわち、宇宙の構造を意味しているのだと思う。
胎蔵界は、宇宙観を金剛界は、認識世界を表現していると言われるが、それは、仏の表情を見れば判る。
法隆寺の金堂壁画の時代には、その様な仏達の関係に基づいて宇宙の真理を視覚化するという思想はなく、むしろ写実的であったが、密教的な価値観の付加が、この様な表現手法に現れてみるのだと考えれば、興味深い。
安藤先生のご意見等をうかがいたいものである。
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