きしめんの独特の形状の理由についての考察2009/04/09 22:49

 きしめんというのは、良くできた食べ物だと思う。

 今日は、4時頃に、梅田第3ビルにあるさぬきうどん屋さんで、生醤油うどんを食べた。これも美味しかったが、やはりお醤油の味が、うどんの内部には浸透せず、特にコシが強いので、内部、グルテンの味がして、しかも、そのグルテンの粒子が結構大きい。だから、コシがあるのだけれどもやはり味に繊細さを欠く。

 その後、居酒屋で7時位までいて、その後、きしめんのあまのという店(阪急ノースモール)できしめんあまのを注文。この店は、それまで3回程、ザルきしめんを食べ続けていた。これも美味しい。きしめんの味もそうだが、醤油と鰹節のダシのしつこさがウズラの生卵で緩めてくれるのでちょうど良い味になる。お酒で火照った口の中を冷やしてくれる効果がある。

 ザルきしめんを待っている間には、カウンターの目の前で、様々なきしめんが調理されている。特にお味噌の匂いが、食欲をそそる。そこで、このお店でもっともシンプルかつオーソドックスな「きしめんあまの」を注文する。

 これは、醤油ダシに鶏肉少々、ネギが入っているだけのシンプルな中に、とっぷりときしめんが浸かっている。汁の中にきしめんが入ってもコシが弱くなることなく、しっかりとしており、歯ごたえもある。

 お出しの秘密は、お醤油(濃い甘口)と鰹節のダシであるが、そのだだ辛さをネギが受け止めて中和している。だから、ダシ汁の味は、それだけで中立・中和状態を保っている。この味のバランスをカウンターで調理しているお兄さんは、注意深く調整する。少しでも狂うと味が台無しになるからだ。

 更にチョビット入っている鶏肉は、仄かな濃くをダシ汁の中に与えてくれる。これもなくてはならない存在だ。

 きしめんは、コシはしっかりとしているが、なおかつ、このダシの味をしっかり染みこませて、小麦粉の味と溶け合って実に旨い。

 きしめんは、あれだけ平たく表面積が大きいので、うどんに比べてダシが染みこみやすい。うどんでも十分にダシを染みこませることが出来るが、そうなると、昔の小包を結わえた荷造りヒモの様な堅さとなって全く歯ごたえがなくなる。つまり、コシを失ってしまう。(佛教大学四条センターの地下のうどん屋さんが、典型的なそうゆううどんを出す店だ。あれは、あれで、京都風ということなんだろう。)

 きしめんの独特の形状は、ミソや醤油等のダシをしっかりと受け止めて、自らも存在を主張する為に考え出された優れた発明品だと思う。

 私は、名古屋人ではないが、きしめんも味噌カツも好きだ。(海老フライは嫌い。ライスカレーは好き。)

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