萩谷朴先生が逝去された。2009/01/27 13:07

 『平安朝歌合大成』の編者であられる萩谷朴先生が逝去された。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009012601000305.html
 
 高校時代の私の恩師が学んだ大東文化大学、二松学舎の名誉教授である。

 関西大学時代に『平安朝歌合大成』に出逢って、高価で、この本が買えなかったので、筆記書写して、製本して大事に使っていたのが、この本である。関大の名誉教授の吉永先生にも生前教わる機会を得たが、やはり、貴重だと思われる典籍は、コピーではなくて、書写しておくべきだとの御教示を得た。

 歌合、絵合、虫合と宮中行事の中で、「合わせもの」は大きな位置を占めており、例えば、虫合と歌合、絵合と歌合とコラボレーションして楽しむのが、当時の殿上人の娯楽であった。

 大成には、勅撰集にも出てくる重要な歌も収められており、歴史的な歌合もある。中でも、私が興味を持ったのは、陽成天皇の歌合であり、この人の趣味の広さ、奥深さは、その歌の勝敗、選者等の顔ぶれをみても、うかがい知ることが出来る。

 90歳の長寿を全うされたということだが、ご冥福をお祈りしたい。

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