マゾヒズムと劣等感とは、実は、対照の関係2011/01/30 22:58

 電車の中で、『家畜人ヤプー』(幻冬舎文庫)を読んでいたら、横に、座っていた女性に嫌な顔をされてしまった。

 たしかにエログロだけど、三島由紀夫も読んで、「奇譚文庫」だったか、その同人誌で口を極めて褒めていた作品。

 ○マゾヒズムと劣等感とは、実は、対照の関係にあり、サディズムと優越感との関係に等しい。

 つまり、優越感がない人間は、マゾヒズムの快感を感じ得ないということだと思う。つまり、感覚的ではなくて、精神的な支配と隷属ということである。

 こうしたことを考えると、1970年代までの原種ヤプーには、この作品をかけても、現代の調教されたヤプーには、こんな作品はかけないと思う。

 なにせ、優越感というものが、グローバリズムの中で、ひとかけらさえも残っていなくなったからだ。

 でも、遺伝子工学が発達した現代では、別にヤプー家畜化しなくても、他の手段で、隷属・奉仕するバイロジーを人工的に作り上げることが出来るし、アンドロイドの方がずっと良いかも。

 阪大で開発されたアンドロイド、あの日本人の女性のモデルが、中東の貴族向けに販売されるかもしれない。

 あらたなヤプーの誕生である。

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