「太平洋の火薬庫」尖閣諸島を巡る諸問題2010/09/12 09:50

民主党政権の外交政策を脅かしかねない重要懸案が発生した。最近、自衛隊の様な行動を海保がとっており、自衛隊は一方で、海保がやるべき行動・作戦を行っているのは、おかしな話である。

海保は、失策だらけで、非難されても仕方がない。機関砲による威嚇射撃1発で済んだ話である。

船長逮捕となると厄介な問題になってくる。

今回の対応次第では、日本は、中共につけいられるし、台湾をも刺激することになる。また、アメリカは、沖縄周辺海域の防衛軍事力強化を必要と、主張、普天間問題等にも影響しかねない。

このままでは、外交関係の悪化は必至である。

いくつかの問題点は、次の通り。

①無人島化

  明治時代の終わりから戦前にかけては、琉球諸島の住民が鰹節工場を建設したが、戦後の混乱(アメリカによる沖縄占領)で無人島化した。この時点で、日本が尖閣諸島への主権を一時的に失った形となった。(つまり、尖閣諸島問題は、アメリカにも責任がある。)

②地下資源発見

 尖閣諸島に地下資源が発見されたのは、1971年のことである。これもちょうど沖縄返還をめぐるゴタゴタの最中である。沖縄返還後、日本国は、尖閣諸島を含めた領土問題を明確に規定すべきで、米軍統治時代では、軍事力の発動も考えられたが、ベトナム戦争が泥沼化する中で、アメリカにそんな余裕はなかった。しかし、資源を含めた領有宣言を行わず、曖昧にしたことが後で尾を引く事となった。

③灯台等設備の海保への移管

 2005年2月の尖閣諸島の灯台等の設備管理の海上保安庁への移管その後の同庁の杜撰な管理の結果、問題が再浮上した。中共や台湾の漁船が排他的水域に侵入した段階で、警告、場合によっては、威嚇射撃を行うことが必要だったが、放置されて来た。民主党政権下になって、同党某議員の働きかけの結果、海上保安庁が積極的な動きを行った結果、今回の外交問題を引き起こす結果となった。

④本来、領土保全業務は、防衛省の管轄にある筈。

 海保の役割は、日本の漁民や国民が海上で行われる違法行為から守る、あるいは、違法行為を阻止する為であり、領土主張の実力を行使する権限は持っていない筈である。

⑤尖閣神社、尖閣諸島防衛協会による日本国旗の設置、海上保安庁のヘリポート問題。

 海上保安庁がヘリポート建設をしようとしたことは、問題はないが、安易に中共の抗議を受け入れて撤去した為に、今に至ってつけ込まれる禍根を残した。(中途半端なことはやらない方がマシである。)

 今後の対応、尖閣諸島が日本古来からの固有の領土であるという正当性の根拠を示す必要がある。尖閣神社等の設置は、その様な運動の一環であるが、近代以前の状況も調査すべきであり、文化的・歴史的にも、日本固有の領土と主張すべきである。

参考資料
http://akebonokikaku.hp.infoseek.co.jp/page075.html


☆☆☆
 いまや、東シナ海の南西部は、「太平洋の火薬庫」と呼ばれるべき、国際的な緊張状態にある。日本は、国防力を強化して、沖縄諸島から尖閣諸島に伸びるラインを中心に防衛網を整備すべきである。中共側が主張する境界線で妥協した場合には、貴重な資源を失うばかりか、日本のシーレーン防衛自体が不可能になる。

 急激に拡張する中共海軍による南下政策が露骨に見えてきている状況の中で、アメリカとも協議して、日米同盟の元で、東シナ海の安全秩序を守る為にも尖閣諸島の領有権を守ることは重要である。

 もし、中共軍によって南西諸島の防衛ラインが破られた場合には、日本本州領土の保全も危ういことになる。

 場合によっては、日米台の三国軍事同盟を締結して、進出を未然に防止する努力が、日本国民の為にも必要だと思う。

コメント

トラックバック