掛け軸買いました。2011/01/13 20:40

 床の間に何も飾りがなくて寂しいので、掛け軸買いました。

 本体が2800円、送料が400円。表装の下側の部分に皺があるので、特価品。絵は、シルクスクリーン印刷。

 下手な肉筆画が4~5万のものを買うよりも、この方が装飾としてみれば、ましかも。少し、トホホなのは、画面の上下に影がつけてあることで、これがなければ、かなりいけると思ったのに。

 それにしても表具・材料だけで、5千円はするので、最初は、自分で、インチキ書道とインチキ俳句とインチキ俳画で、絵を描いて軸装も自分でしようかと思ったけれど、値段を考えたら、この方が気楽。このシリーズで、早春 初夏、盛夏、秋、晩秋、初冬、厳冬と1通り揃えて、季節毎に掛け替えて楽しむのも、下流の楽しみとしては、良いかも。

 掛け軸を掛け替えることで作句に必要な季節感を養うのだと、もっともらしい理由づけしている。

 貧乏な家というか、学歴の低い核家族に生まれたので、床の間や掛け軸のある家に棲んだことが無かったので、何やら少し嬉しい気分になりました。

 朝刊を投げ込む音の寒きかな
 光射す根雪は既にステンレス
 アイガーの氷壁遙か鷲は飛ぶ
 掛け軸のウグイス鳴きて春を呼ぶ

人生の電池切れ2011/01/14 09:40

 外出時の「恐怖3大電池切れ」は、他の人と変わらないかも。

 ①携帯
 ②IPOD
 ③PSP

 この3大電池切れで一番、困るのは、①だが、②と③も、移動中に時間を持てあます恐怖に見舞われる。

 携帯の場合は、ドコモショップで充電させてもらえるが、登山等に携帯を持参する場合は、結局、遭難時に使用するので、予備の電池、充電器(携帯用)を持参しないと役に立たない。 

 家での「恐怖3大電池切れ」は、

 ①玄関・チャイム
 ②警報機(震動センサー)
 ③エアコンのリモコン
 ④テレビ・ビデオのリモコン
 
 特に①の場合は、呼び鈴のボタン側に特殊な電池が使用されているので、これを交換するのは、大変。②も、LR44以外はコンビニで販売されていないので、悲惨。

 エアコンやTVもリモコンがないと悲惨。操作自体がリモコンオンリーになっているので、どうにもならない。よくインターネットオークションでTV等を落札した人がクレーム欄にリモコンがついていないと書いているが、リモコンがないとどうしようもないので、最近では、リモコンを専門に販売しているショップもあり、これが結構、流行っているらしい。

 この他、電動ひげ剃り、ロボット等があるが、ロボットは生活に困るが、充電可能なので良い。

 ○携帯の電池切れたるスキー場
 ○人生の電池切れたり冬の旅
 ○凍蝶の電池切れたる荒野かな

 でも一番怖いのは、「人生の電池切れ」かも

佛教大学四条センターの黒田先生の講演を拝聴2011/01/15 16:36

 昨日の佛教大学の四条センターでの黒田彰先生の講演を拝聴させていただいた。
 孝子伝図の世界 ―舜の物語攷(二)―
http://www.bukkyo-u.ac.jp/BUSEC/lecture/course/now/kyouyou_bungaku/p28-2.html
 教室は、生徒さんが少なかったので、「少人数授業」で、会議室を使用するという贅沢なもの。
 今回は、舜の物語攷の3回目ということで、
 ①『お伽草子二十四孝』
 ②『太平記32天竺震旦物語事』
 ③『全相二十四孝詩選』
 ④『史記五帝本紀』
 ⑤『列女伝』
 ⑥『孝子伝 陽明本・船橋本』
 ⑦『舜子変』敦煌発掘文書P272、S4654冒頭部
 ⑧『普通唱道集下本孝父篇重花稟位』
 ⑨『纂図附音本注千字文23・24「推位譲国、有虞陶唐注』
 ⑩『三教指帰成安注』
 他数点の文献資料に加えて、『寧夏国原北魏墓漆棺画』、『後漢武氏祠画象石』等の図像資料等々、膨大な資料群を読み解きながら、
 
 い 焚蔵
 ろ 掩井
 は 歴山耕作
 に 易米、開眼
 ほ 堯二女娶
 へ 譲帝位
 ◎ 降銀銭五百文
 以上の7プロットについて、それぞれの資料から抽出し、分析を行った。

 先行研究には、
 増田励氏「虞舜至考説話の伝承 太平記を中心に」があり、増田氏が問題としている『普通唱道集』、『重花稟位』の共通点を指摘しながらも、我が国に伝来している最古の『孝子伝』の陽明、船橋の両本には、◎降銀銭五百文のプロットが抜けていることを指摘し、それは、元々テキストに存在していない要素であり、後から他資料から附記された為であると考察された。
 黒田先生は、これに反論し、◎降銀銭五百文のプロットは、もともと別系統の資料に存在していたものが、陽明・船橋本孝子伝とは、別のルートで伝来したと考えられている。
 舜説話の伝来のルートとしては、次の通り考察されている。
     →伝本 →   →孝子伝
 原話           →変本→唱道→民間説話
     →民間口承伝承
 つまり、◎降銀銭五百文のプロットについては、口承伝承系のテキストが西域を中心に流布した説話に起源があるとの説をおっしゃられた。

☆☆☆
 私が、この講演を聴いてもっとも興味を持ったプロットが、ろの掩井である。この部分に◎降銀銭五百文のプロットが変本に入り込んでいる。
 ペリエ本の敦煌文書舜子変には、
 「舜井を浚を聞いて、心裏(裏にある企み)之を知る。すなわち、衣裳を脱ぎて、井縁に跪拝して、井に入り、泥を浚う。上界の帝釈天は、(これをみて)密かに銀銭五百文を井中に入れる。舜子すなわち、泥罇の中に銭を置きて、令して後、母引き出す。数度、上の阿嬢に向いて乞う。『井中の水は満ち銭も尽きたり我を出でさせて、飯盤食させるは、阿嬢の徳に能わざるや。』後母、これを聞いて、瞽叟を欺いて曰く....」とある。
 孝子伝には、「或いは、深井を掘りて出さしむ。舜、その心を知りて、先ず傍らに穴を掘りて、之を隣家に通ず」とある。孝子伝には、「銀銭五百文」の部分は見あたらない。
 訓読が大変なので、省略したが、変文では、この後、瞽叟は、後妻にだまされて、石を持って穴を塞いで、舜を殺そうとする。そこで、帝釈天は、黄竜に姿を変えて、舜を引っ張って、東の家の井戸に穴を通じて出してやると、さすが、仏教の布教・啓蒙を旨としているだけあって、帝釈天が活躍する仕組みとなっている。

 この様な違いをどう考えるかというのが、増田論文の出発点であるが、舜に関する説話・孝子伝のルーツは、遙か後漢の時代、つまり、仏教が伝わる遙か以前から行われていたと考えると、もともとは無かったと考えざるを得ないと思う。つまり、この変文は、舜の伝記であると同時に帝釈天への賛歌になっている点が、原話を変質させていると考えるのである。
 「掩井」のプロットは、かなり原話に遡る古い時代から行われて、私の考えては、多分に、説話の西域性を示していると考える。
 その根拠として、井戸を掘り下げて、地下水路を通して、隣の井戸に連結させるということは、水分の蒸散を防ぐ為に西域を中心にカナートと呼ばれている。(図参照)
 

 この井戸は、イランやペルシア起源があると考えられているが、後漢の時代、つまり起源3世紀頃までには、中国の甘粛省等の地域に伝来している。
 その井戸の名前が、カンアルジン(かんじせい/坎児井/KanErJing)と呼ばれており、その意味は、「児を埋めた井戸」すなわち、舜の「掩井」のプロットそのものを示しているのである。
 黒田先生は、この説話の「入遊歴山」という語句に注目されて、実際に、歴山の舜井や竜泉を訪ねられているが、私の解釈としては、舜の説話が誕生してからかなり後の時代に成立した遺跡であり、年代考証が合わないのではないかと考えるものである。

 



怖ろしい程、細かい音が聞こえる。2011/01/16 23:20

 四条センターでは、黒田先生にお話することができなかったので、クリスキットのことを話せず仕舞い。

 クリスキットが懐かしかったので、久しぶりに電源投入。DENONのプリメインの上にあるのが、クリスキットMARK8D。

 MARK8Dでは、LPレコードが再生出来ないので、DENONのRECOUTからイコライザーアンプからの信号を取り出す。

 スピーカーは、SE120がおうぶに持って来てしまっているので、桝谷さんが唯一推奨されていたYAMAHAのモニタースピーカーを接続して聴く。

 やはり、ノイズが少ないせいか微細な音の特長やら、テープの場合は、ヒスノイズが盛大に聞こえる。DENONや300Bでは、それ程、気にならなかったヒスノイズであるが、ここでは気になる。

 また、CDでもアナログ録音等は、マスターの劣化とか、スタジオノイズとか、とにかく怖ろしい程、細かい音が聞こえる。

 声楽等は、歌手の息継ぎとか良く判るし、ピアノの場合は、タッチの変化や強弱、アクセントが他のシステムに比べて際立っている。

 たしかに凄いが、音楽を楽しんで聴くにはどうかな。

 右は、桝谷先生推奨のVICTORの3HEADカセットデッキ。これも素晴らしい製品である。テープの限界まで再生出来る。上は、SONYのSACD等々。

 カセットデッキの下は、パラサウンドというマイナーメーカーのDAC。凄く分厚い、情報量の多い音が聞こえる。

戦争と地震の話2011/01/16 23:24

 明日は、阪神淡路大震災の日である。

 飲み屋でも話題になっている。場所柄、長田に住まわれている人がいて、地震の話になると、やはり、被害が相当酷かったので、全壊とかそういう話になる。

 お話した人は、居住しているのは、須磨区で、事務所が長田にあって、長田の家は、全壊となったが、地震保険に入っていたので、800万円がもらえたという。当時、神戸でそんな地震が発生すると考えていた人がいないが、ある大学教授が「近い内に神戸で地震が起こる。」と予言されていたのを聞いて、発生の数ヶ月前に加入したという。

 地震で神戸の街は、昔の面影を失ってしまったが、随分綺麗に復興したというのが、その人の感想。地震の凄さよりも、もっと戦災の方が凄かったという。山手から海端まで、まるで建物が無くなり、大丸等の建物は、ポツンポツンと見えていたという。

 それから戦争の話になった.....とにかく、アメリカがイカンという意見で話が一致して盛り上がった。

 その後、再び地震の話になったが、須磨の家は、電気、ガスが復旧したが、一番、遅かったのが水道だという。うちの川西の実家も今も家が傾いている程(おうぶの家も地震の影響で傾斜しているが)であるが、水道、電気が先に復旧したが、ガスがないので、水風呂に入っていた。それでは、大変なので、日本橋に行って、熱帯魚用のヒーターを捜して来たが、これでは、水温が殆ど上がらなかったのを記憶している。食べ物は、七輪でおでんとか焼き鳥とかして食べたら、それなりに凄く美味しかった。

 このオジサンの家は、水が出ないので、最後の最後まで苦労したという。数ヶ月経ってようやく赤茶けた水が出た時に、感動して、風呂に入る順番を家族で決めるのに難儀したが、「まず、嫁に入ったもらった。」という。赤茶けた水ではあったが、水のありがたさが良く判った。

 地震というのは、本当に突然やって来て、ライフラインがズタズタにされて、心の準備も出来ていないのに、酷い目に逢う。それでも、生きていた、赤茶けた水の風呂に入れて時に、「生きていてよかった。」と思ったそうだ。

真っ白な震災忌2011/01/17 09:33

 今日は、朝早くから近所が騒がしい。神戸市で行われる震災関連の行事に参加する人達の為らしい。

 何時もよりも、早く目が覚めて、ゴミ出しに外に出ると、外は、一面真っ白。道路は、完全に凍り付いている。ベランダの柵にも雪がこびり付いている。

 給湯器を動かすと、外に大変な量の湯気が発生、警報機が誤動作する。

 昨日の晩、徳島県で地震が発生した。そういえば、震災の朝もこんな風に寒い日だった。

 ○震災忌嗚呼五時四十六分

EXCELLで各項目を得点化2011/01/17 22:55

 童子の投句締め切りが迫ってきた。

 この一ヶ月間に作った句は、47句で、ここから5句を選ぶとなると、自撰ながらも大変だと思う。

 面倒臭いので、EXCELLで各項目を得点化して、上位15句を選んで、そこから、推敲と選句をすることにして、ようやく選べたのが、

 ○寒稽古爆弾みたく声を出し
 ○南天の葉は赤裸々に庭埋めり
 ○山焼きてほむら一面山焼きて
 ○左義長の火は伸び伸びて天照らす
 ○谷底の道一月の白さかな

組み換えウイルスの恐ろしさ2011/01/18 10:30

 今付の官報第5476号で、新たに岡山大学病院で、遺伝子組み換えウイルスの使用行為の承認を受けたことが掲載されている。
http://kanpou.npb.go.jp/20110118/20110118h05476/20110118h054760003f.html
 これまでの遺伝子組み換え実験の認可の対象は、基礎的な実験や農業関連が中心であったが、最近では、医療関係、すなわち直接に遺伝子組み換えウィルスの実験を人体に対して行う様な事例が承認の対象となっている。
 この様な状況の変化については、一般、国民には、衆知されていないが、もし、組み換えの結果、未知の因子が発現して、それが、強い毒性や、殺傷力を持った場合、あるいは、医療への応用時点は、大きな副作用が認められなくても、その後、数年、あるいは、数世代後に副作用が発現して、障害等等の怖ろしい結果が起こった場合、国は、どう対応するつもりなのだろうか。最近の薬害についても、実験、応用段階では、全く、その様なリスクが顧みられず、国が、こんな風に官報で認可しているのである。

 最近、話題のIPS細胞についても同様である。これは、人工多能性幹細胞と呼ばれるもので、その培養によって拒否反応の無い移植用組織や臓器の作成が可能になるとして、脚光を浴びて、良い面ばかりが報道されているが、詳しくみると、癌化する確立が通常の細胞に比べて極めて高いことが現時点で判っている。

 つまり、培養された臓器を移植した後、その臓器を構成する細胞が、体内に取り込まれた段階で、癌化する確率も高いということで、IPS細胞を医療に応用した副作用として、癌の発生リスクが高くなるなどの問題が起こってくる可能性ある。

 新聞等では、こういった副作用の問題以外の男性から卵子、女性から精子を作ることが可能になるので、同性愛カップルの子供をつくることも可能になる等、倫理面の問題が取り沙汰されているが、もっとも、基本的な「安全性」について殆ど、認識されていないのが現状である。

 まるで、最近の恐怖物SF映画の世界が現実になろうとしている。
 場合によっては、核戦争よりも、人類を滅亡に導くリスクが高いかも。

遺伝子組換え生物等の種類の名称
Reduced Expression in Immortalized Cells/Dickkopf-3
(REIC/Dkk-3)遺伝子を発現する非増殖性の遺伝子組換え
ヒトアデノウイルス5型(Adv/hREIC)
遺伝子組換え生物等の第一種
使用等の内容
治療施設におけるヒトの治療を目的とした使用、保管、運搬
及び廃棄並びにこれらに付随する行為
遺伝子組換え生物等の第一種
使用等の方法
治療施設の所在地岡山県岡山市北区鹿田町二丁目5番1号
治療施設の名称岡山大学病院
\ Adv/hREIC溶液は、容器に密封後、凍結状態で治療施設に輸送し、施設内のP2レベルの実験室(以下「P2実験室」という。)内の冷凍庫に保管する。
] 凍結状態のAdv/hREIC溶液の融解、希釈及び分注操作は、P2実験室内の安全キャビネット内で行う。Adv/hREIC希釈溶液の保管は、P2実験室内の冷凍庫において行う。なお、Adv/hREIC希釈溶液又はその凍結品を開放系区域を通って他のP2レベル区域に運搬する必要がある場合には、二重に密閉した容器に入れて運搬する。(以下略)

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貧弱な医療2011/01/18 10:33

 私がかかりつけの医院は、自宅から数分のところにあって非常に便利だが、エコー検査等の最低限の設備も整っていない。

 昨日、右脇腹の痛みが強くなったので、エコー検査をする必要を感じたので、鈴蘭台近辺の医院をネットで探して、エコー検査設備があると事前に確認した医院の診療を受けた。

 医師は、もう、別の医院の検査で判明しているデータを得る為の無駄な診療を繰り返し、「エコー検査はいつしてもらえるのか。」と尋ねたら、「ウチでは、大変混み合っているので、ヨソの病院を紹介するから。」と言われた。

 たらい回しである。

 結局、紹介された病院は、神戸市内の不便なところなので、こんなところに、時間をかけていく位ならば、梅田にある以前、診療を受けていた以前のかかりつけのクリニックで診てもらった方がましである。

 こんなところに棲んでいると、CT検査はおろか、エコーも満足に受けられない医療の後進地域であり、最先端がどうだか言っていても、アジアの他の不衛生な後進国とそれ程、大差ない程度の低い診療しか受けられないのが現状なのである。

内向化する若者達2011/01/19 09:00

NHKの朝特で若者の「内向化」が話題にされていた。

アメリカの大学への留学生が減少しているという。
中国への留学生や就職している若者は報道されていなかった。

日本の若者の活力低下の影響で、アメリカへの留学生が減ったとされているが、アメリカに留学しても、帰国後、あまり、活かすことがないから、留学生が減少しているのかも。

中国で学んだり、中国企業に、インターシップ留学したりする方が、就職先の確保を含めて、きっとメリットがある筈。

つまり、日本の企業や、社会が閉塞、疲弊している為に若者がこうした動きをしているのであって、「元気がなくなっている」からではない。

また、少子高齢化にこの話題をすり替えたり、直結したりする論点も不可解と言わざるをえない。

私は、「内向化」が悪いとは思わない。「グローバルかぶれ」、「アメリカかぶれ」で、エセ民主主義のデマゴコス社会になってしまっている日本の社会病理と、真っ直ぐ向き合って対峙していく姿勢が大事だ。

現代は、日本の文化・社会・経済の「中身」がなくなってしまっているのが現状。しっかり、国内で学び、今の日本の社会や文化を見つめ直すことが重要であり、その後、必要や予算に応じて、「アメリカ遊学」すれば良い。

そうしないと、今後の日本文化のオリジナリティは永久に生まれてこないと思う。