千年絵巻を堪能2008/11/02 12:46

IXYDIGITAL70で撮影。
 京都府の生涯教育事業として行われたeラーニングで学ぶ源氏物語「光源氏と紫の上」のスクーリングに昨日は出かけていたが、京都の街は、未だ秋らしさが今ひとつで、銀杏等はやや色づき始めたかなという程度。
 朝、9時頃に集合場所の佛大に出かけたら、学園祭の当日ということもあり、テントの設営や搬入等が学生さん達が忙しく働いていた。
 喫茶室でコーヒーを飲みながら集合時間を待つ。
 車中でスクーリングの主催者側の佛大メディア教材部の方や文学部の上野辰義先生のご挨拶があり、その後、直ぐに出発。
 考古学博物館は、22年前に一度訪れたことがある。地下鉄烏丸線の工事で大量に遺物が出土し、それを整理したのが、この博物館の起こりで、今回は、紫式部にちなむ展示が行われていた。
 但し、直接関係ある遺物等あれば、大発見ものであるが、例えば、源氏物語絵巻竹河巻に描かれている姫君達の囲碁の碁石、橋姫巻に描かれている扇の骨組み、呪詛に纏わり様々な器物、カタシロ等が面白かった。
 意味不明の呪文が描かれた遺物は何やら恐ろしかった。
 呪術の為に作られたカタシロは、後ろでに縛られた夫婦で女は妊んでいる。
 「夫婦、あるいは、男女の縁を切られせるか、呪い殺そうとした考えられます。」
 カタシロは井戸の中で、千年間の呪い・執念を
そのままの形で存在させつづけてきた。
 庶民の手で可能な限り写実的に呪詛の相手の特徴を刻んであるのを見て、このカタシロが作られた時を想像してぞっとした。
 雲林院の紫式部のお墓では、上野先生が説明して下さった。
 その後の風俗博物館は、圧巻だった。
 実物の1/4のスケールで六条院の女御や公卿、法師、侍従達が全て生き写しに復元されている。
 表情もリアルで、着物も実際に布を織るところから作られている手が込んだもの。
 先日、取りあげた当麻曼荼羅にちなんだ人形アニメを想起させる。
 部屋の奥の方には、実物大で寝所も復元されており、圧巻だった。
 こういった王朝物の展示は、国宝源氏物語絵巻等の影響を受けて、登場人物が無表情で画一的、しかも暗い感じのものが多かったので、遠慮していたが、これは、人物が生き生きとしており、やや気味が悪いが面白かった。
 写真は、物語草子づくりで、料紙を切断した形を整えている女房。
 その他のスクーリングの様子はビデオにまとめた。

http://jp.youtube.com/watch?v=1b2CLvWrALw

パナソニックさんの「パンドラの箱」2008/11/02 17:46

 パナソニックのLUMIX G1がついに発売となった。
 ヨドバシ梅田の店頭で触ってみたが、評判通りのデザインと内容で非常にインパクトがある製品だと思った。
 操作系も非常に判りやすく、電源オン後の起動から、オートフォーカスまで素早い。
 液晶の品質も良好であり、ライブビュー機能は使いやすい。
 売り物のファインダーでのライブビューは、画素数が従来のFZ28等に比べて数倍から一桁肌理が細かい感じで、電子ファインダーであることを忘れさせるほど。補正が良く効いているので、むしろ、デジイチの生画像に比べて、見やすく整っている。
 同じ位の価格帯のデジイチの普及機は、どうしてもコストの関係で視野率が低くなるが、こちらは、高級機並みに高くて撮影がし易い。
 但し、フィルム一眼でデジタル一眼の高級機等を使用した経験がある人がみると、「アレ!」と感じる点がある。
 それが縞干渉ノイズである。これは、撮像素子、液晶の素子数の一定の割合が合わさった時に発生する。
 例えば、ヨドバシ梅田売り場の天井をファインダーでみると、細かい天井の骨組み以外にチリチリした感じが認められる。
 これがノイズであり、電子ファインダーの宿命でもある。
 勿論、光学ファインダーの生画像では、そんなノイズは発生しない。
 このカメラで始めてデジイチ入門される人は、これが当たり前だと思うが、それでも高級なプリズムとミラーを搭載した一眼レフ等のファインダーを覗いたらスッキリとした感じに驚かされるだろう。
 ちょうど、CDやSCDの演奏とナマやアナログレコードの違いの様なものだ。
 G1シリーズは、パナソニック、あるいは、競合機種を出してくるとみられるカメラメーカーというか電子機器メーカーにとっては、「パンドラの箱」の様なものだろう。
 つまり、高級1眼レフが売れなくなる。価格とコストを見れば、商品の系列の中での差別化がこれまで以上に厳しく要求されるので、開発コストがかかってきて、この不景気の時代、従来の高級1眼レフの開発コストが出なくなってしまう。

 パナソニックさんは、自分で自分の首を絞めかねない。
 
中位のグレードの商品がほどほど売れるよりも、より大衆的な商品が沢山売れる方が、コストの面でも儲かるに決まっている。
 FZシリーズは、安くて高機能という印象をコンパクトデジカメの次ぎのレベルのカメラが欲しい消費者層に与え続けていたヒット商品だった。

 ところが、G1のファインダーを一度、覗いたら、FZ28のファインダー画像はオモチャに見えてしまう。

  こうして、FZ28の様なコンパクトデジカメとデジイチの中間グレード機種は、見向きもされなくなってしまう。実売価格でもG1が9万円位、FZ28が5万円位だが、「それならば、良いものを」という消費者の心理となる。

 そうすれば、FZ28を値下げしないと売れなくなってしまう。
 実際に、既に価格コムでは、FZ28の最低販売価格は、3万8千円台まで下がってきている。


  但し、私、この製品が発表された時点で予言した通り、ライカMマウントアダプター(G1用)が年末に発売されるという噂がまことしやかに流れており、これが事実ならば、ボデーのみを購入して、ライカレンズ(クラシックカメラの方)を試してみようかとも思う。
http://minami.typepad.com/blogcabin/2008/11/panasonic-lumix-g1-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC.html

橛(ケツ)による地鎮祭(追記・修正)2008/11/02 21:26

IXYDIGITAL70で撮影。
 写真は、密教の地鎮祭で使用された橛(ケツ)という法具(中央の棒)である。
 下は、仏教の転輪聖王(チャクラヴァルティラージャン)を象徴し、威力の象徴とも言える法輪(輪宝)である。
 京都市考古資料館に展示されているもので、1070年代の平安後期のものであるが、これと同じ法具が平成15年に江戸時代の六本木の毛利藩邸跡から出土しており、17世紀頃のものと言われている。
 輪宝は同じく8角形であり、平安京のものとは異なり、角毎に突起が出ている。
 平安京と同様に土器類と共に出土している。但し、異なるのは、銅銭が一緒に埋められている点である。
 地鎮祭は、中世頃までは、密教形式であったのが、近世以降は、徐々に神道の形式に改められていった。
 神道の地鎮祭は、神饌として幣を祀るが、神仏習合後も、続いていた密教形式の地鎮祭と融合して、銅銭を祀るようになったのか(未確認)。
 神式の場合は、地霊を鎮め、悪霊を祓うことが主眼であるが、 密教の場合は、真言宗の地鎮祭等、色々あるが、不動明王を本尊として行う鎮宅不動法等が知られている。
 密教の場合は、地霊を鎮める点は、神式と共通しているが、仏宝を土地に浸透させ、同化させるということが目的なので、地面に輪宝を置くではないだろうか。(追記を見よ)

 今回、eラーニングの考古資料館の展示で特に目についたものである。

追記

金剛密教では、

「印明は十八道の如し。 大金剛輪の壇の上に橛(けつ)を立て地の大小を定め結界する義なり。」 金剛密教の最強の「結界術」であると記述がある。

更に、強力な結界を張るには、「地界の量に随って四方に金剛檣を上げ、三鈷金剛を交え立てたる結界」とあり、これらを不動明王に結界術と呼ばれているようだ。