パナソニックさんの「パンドラの箱」2008/11/02 17:46

 パナソニックのLUMIX G1がついに発売となった。
 ヨドバシ梅田の店頭で触ってみたが、評判通りのデザインと内容で非常にインパクトがある製品だと思った。
 操作系も非常に判りやすく、電源オン後の起動から、オートフォーカスまで素早い。
 液晶の品質も良好であり、ライブビュー機能は使いやすい。
 売り物のファインダーでのライブビューは、画素数が従来のFZ28等に比べて数倍から一桁肌理が細かい感じで、電子ファインダーであることを忘れさせるほど。補正が良く効いているので、むしろ、デジイチの生画像に比べて、見やすく整っている。
 同じ位の価格帯のデジイチの普及機は、どうしてもコストの関係で視野率が低くなるが、こちらは、高級機並みに高くて撮影がし易い。
 但し、フィルム一眼でデジタル一眼の高級機等を使用した経験がある人がみると、「アレ!」と感じる点がある。
 それが縞干渉ノイズである。これは、撮像素子、液晶の素子数の一定の割合が合わさった時に発生する。
 例えば、ヨドバシ梅田売り場の天井をファインダーでみると、細かい天井の骨組み以外にチリチリした感じが認められる。
 これがノイズであり、電子ファインダーの宿命でもある。
 勿論、光学ファインダーの生画像では、そんなノイズは発生しない。
 このカメラで始めてデジイチ入門される人は、これが当たり前だと思うが、それでも高級なプリズムとミラーを搭載した一眼レフ等のファインダーを覗いたらスッキリとした感じに驚かされるだろう。
 ちょうど、CDやSCDの演奏とナマやアナログレコードの違いの様なものだ。
 G1シリーズは、パナソニック、あるいは、競合機種を出してくるとみられるカメラメーカーというか電子機器メーカーにとっては、「パンドラの箱」の様なものだろう。
 つまり、高級1眼レフが売れなくなる。価格とコストを見れば、商品の系列の中での差別化がこれまで以上に厳しく要求されるので、開発コストがかかってきて、この不景気の時代、従来の高級1眼レフの開発コストが出なくなってしまう。

 パナソニックさんは、自分で自分の首を絞めかねない。
 
中位のグレードの商品がほどほど売れるよりも、より大衆的な商品が沢山売れる方が、コストの面でも儲かるに決まっている。
 FZシリーズは、安くて高機能という印象をコンパクトデジカメの次ぎのレベルのカメラが欲しい消費者層に与え続けていたヒット商品だった。

 ところが、G1のファインダーを一度、覗いたら、FZ28のファインダー画像はオモチャに見えてしまう。

  こうして、FZ28の様なコンパクトデジカメとデジイチの中間グレード機種は、見向きもされなくなってしまう。実売価格でもG1が9万円位、FZ28が5万円位だが、「それならば、良いものを」という消費者の心理となる。

 そうすれば、FZ28を値下げしないと売れなくなってしまう。
 実際に、既に価格コムでは、FZ28の最低販売価格は、3万8千円台まで下がってきている。


  但し、私、この製品が発表された時点で予言した通り、ライカMマウントアダプター(G1用)が年末に発売されるという噂がまことしやかに流れており、これが事実ならば、ボデーのみを購入して、ライカレンズ(クラシックカメラの方)を試してみようかとも思う。
http://minami.typepad.com/blogcabin/2008/11/panasonic-lumix-g1-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC.html

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