最高の贅沢だと思う。2010/05/15 22:20

 マリアンネ・マルティネスのチェンバロ曲を、録画していた渡辺篤志の建物拝見(先週日曜日BS放送分)で初めて聴いた。

 「建物拝見」では、今回が、一番面白かった。公園敷地に面した緑の森と池の畔にある敷地に佇む全木造で、しかも外壁塗装無しの一見、平屋と思わせる家。

 実際には、巨大な建築で肩流れの吹き抜け構造なのであるが、実に素朴で慎ましい感じする。

 しかし、建物の内部には室内楽のコンサートも可能な木造ホールが存在している。「音楽ホールのある家」

 舞台のチェンバロの背後には、はめ殺しのガラス窓であるが、森がずっと続いており、ガラスを意識しないと森の中のコンサートみたい。

 音響効果も抜群で、オリジナルチェンバロの柔らかな響きと見事に調和しており、まるで、チェンバロコンサート専用のホールとして作られたかのようだ。

 そのお家の娘さんが松岡友子さんで、以前、1度だけ、この人のチェンバロ演奏をナマで聴いたことがあるが、番組の少しだけ流れたコンサートでは、マリアンネ・マルティネスのチェンバロ曲が流れていた。
http://www.fsinet.or.jp/~myweb/tomo/performance2010.html

 モーツアルトとほぼ同時代(1744-1812)に活躍したウィーンの女流チェンバリストで、この時代はもはや、チェンバロは時代遅れの楽器で、ピアノフォルテの時代だが、イタリアバロックの影響を受けた軽妙なソナタト長調の明るい響きが、米杉で作られた明るいホールに見事に調和していた。

 僕もこんなホール付きの家(緑の森に囲まれていないと意味がない)を建ててみたいが、絶対に無理だろう。

 最高の贅沢だと思う。

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