所得格差指数が、3.0を超えている地域を中心に反日デモが発生している2010/10/26 21:28

 中華人民共和国の各地で反日デモが行われているが、戦前の日本統治下の「中華民国」での民衆の反日デモとは、かなり性格が異なるようである。

 「中華民国」での反日デモは、当然、日本の占領への批判もあるが、それよりも、真の意味での民主主義社会の実現への強い要望だった。

 しかし、最近の反日デモは、日本同様に格差社会に苦しんでいる、日本で言えば、派遣労働者の生活不安・不満の爆発によるものである。

 それは、このブログに書いた記事「世界第2位の経済力を持つ中国の内情」
http://fry.asablo.jp/blog/2010/10/10/5395030
 このグラフの所得格差指数が、3.0を超えている地域を中心に反日デモが発生していることからも裏付けられる。

 つまり、日本同様に若者の格差社会への不満が、反日デモという形で、表出していることを示している。

  中国政府も「ガス抜き」として、ある程度、容認というか黙認していたが、やがて政府批判に傾いてくると、これは、あの辛亥革命が起こった時代に近くなってくる。

 中国の歴史は、民衆革命の歴史でもある。あらゆる王朝が、民衆の蜂起、革命によって滅んで次の王朝がたつが、その王朝も統治行政矛盾による人民蜂起によって滅ぼされている。

 共産主義体制になっても、歴代の中華王朝の時代と何も変わっていない。

 
 日本でも中国の青年達と同様に格差社会のどん底で苦しんでいる人が多いのは、今日、視聴したETV特集(派遣労働者)でもみられる通りだが、中国人の様な団結も、実力行使も何も出来ないというのは、日本というのは、中国以上に哀しい状況であると思わざるを得ない。

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