リサイクル、リサイクルといっても不採算業種でしかない。2010/08/20 10:04

 旧自民党政権下に制定されたバイオマス・ニッポン総合戦略は、民主党政権にも引き継がれており、バイオマスタウンだとか、コミュニティが各地で誕生している。これらは、食品リサイクル法等とも連携し、環境保全、持続可能な農業、農業と他の産業分野の結合で、新しい産業形態(6次産業化)等が期待されている。しかし、実際には、これらの事業をビジネスとしてみれば、リサイクル費用は割高で、ファーストフードやレストランチェーンとか、大手食品企業等では、必要であるが、採算面では期待していないのが、現状となっている。こうなってくるとリサイクル関連の企業は、もっと悲惨であり、赤字覚悟、あるいは、ギリギリの採算で運営されているのが現状となっている。今年に入って、一層、国内の内需関連産業は悪化しており、もともと苦しい状況だったリサイクル関連産業・企業の倒産が続出している。このリサイクルシステム企業も、政策のテコ押しもあり、将来が期待されていたが、結局、事業継続を断念せざるを得なかった。

 リサイクル、リサイクルと国や行政、あるいは、NPOが口を揃えていっているが、リサイクルというのは、ビジネス的にみれば、付加価値産業なのだが、今の日本の「社会力」では、「付加価値化」ということ自体が無理になっているので、こんな風になっている。可哀想に、倒産した会社では、代表者が疲れてしまって、急逝され、廃業を余儀なくされている。

 また、最近になって公共事業費削減で、自治体も、こうした事業への出資については、消極的になっている。最初には、色々と干渉してきて、予算の関係で、お金を無理に助成しておいて、政権が変わると途端に助成が打ち切られては、もう、「民」は、「官」を信じることが出来なくなる。

 中国人の様に抜け目なく、付加価値化を進める様な国民であれば、こうした産業も伸びるかも知れないが、品質、安全、衛生問題で今度は影響が出てくる。

 リサイクルしてはいけないというのは、事実かもしれない。
 僕は、この会社がリサイクル関連の企業が集まった展示会に出店されていたので良く知っている。


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(株)フードサイクルシステムズ(上尾市、設立平成3年6月、資本金6000万円、従業員5名)は8月4日、東京地裁から破産手続開始決定を受けた。負債総額は約1億7000万円。有用微生物群販売及びゴミ再資源化装置販売業者。ハンバーグチェーン店や自治体などに販路を形成していたが、平成16年2月期に不良在庫圧縮を行うなどで約4700万円の赤字を計上していた。
 以降、債務超過が続き金融機関の与信は低下、その後は生ゴミ処理機の売れ行きが悪化し業容縮小しての経営に陥っていた。こうした中、22年6月には代表者急逝により事業継続が不可能となり、今回の手続となった。

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