私たちは、「人間である」(ヒトとしての道を歩む)2009/12/04 10:34

大阪府立大学人間社会学部パンフレットから


 私たち国文学を研究しているものとしては、大阪府立大学と言えば、説話文学の田中宗博教授が思い浮かぶ。


 説話文学といえば、今昔物語集や宇治拾遺物語、発心集等の作品が挙げられる。

 説話文学作品へのアプローチには、様々な側面から可能である。史料的側面、地理的側面、社会史、思想史、心理学等人間科学的側面からも可能である。

 また、説話から、更にその周辺領域である和歌や物語とも関連を持ち、時空の隔たりを経て芥川等の近代文学世界への関連を持っている。

 2009年の春には、大阪府立大学が人間社会学部として改編されて、最初の卒業生が巣立った。卒論には、今昔物語第27怪異説話の研究、熊野の本地、日本古典文学における狼についての研究等のユニークなものもある。

 府立大学の場合は、文学作品にのみならず、言語文化について広い視野を持って取り組んでいる。

 その中には、言語情報処理、言語データ処理、応用言語学、異文化間コミュニケーション等も含まれている。


 「言語」は、人間文化の基本である。「言語」がなければ、思考や論理,
科学さえも成立しない。

 つまり、人間の存在の基本は、「言語」であり、それを研究する学問は、私たちが、「人間である」(ヒトとしての道を歩む)ということを前提に、社会に存在している限り、必要不可欠な学部、学科なのである。

http://www.human.osakafu-u.ac.jp/download/index.html

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